今回は整体の話ではなく、薬剤師としてこの時期にご注意いただきたい薬についてご紹介します。消炎鎮痛剤を使われている方は必読です!
「脱水」で気を付けたい薬剤
NSAIDs ロキソプロフェンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)は腎臓の血流を低下させる作用があり、脱水状態では急性腎不全を起こす可能性があります。激しい運動で大量に汗をかいた脱水状態では何錠も続けて飲まないように。
テープやシップなどの外用剤は体内の血流に入る量が錠剤と比べて非常に少ないので、心配ありません。
例えば登山。長時間の運動で大量の汗をかき、下りで膝が痛くなりロキソニンを何錠も続けて飲む、というのは避けてください。登る前の準備運動がとても重要です!ストレッチの前(これ大事!)にウォーミングアップの体操、お尻から太ももの外側をマッサージしてから、ゆっくり痛くないストレッチしてください。休憩ごとにマッサージとストレッチすることで痛みの出現を遅らせることができます。
ゴルフやテニス、ランニング・サイクリングetc…汗を大量にかくスポーツの際も同様です。ご注意ください!
以下は消炎鎮痛剤ではありませんが、一般的に脱水に注意しなければならない薬剤ですのでご参考まで。
2.SGLT2阻害剤 当初は糖尿病薬として使われたが最近では心不全・腎不全にも使われる。尿を出す作用があるので脱水がさらに進んでしまう可能性があります。
3.ACE阻害剤・ARB 血圧を下げる薬剤。脱水状態では腎臓の血流が悪くなり急性腎不全にいたることも
4.利尿剤 その名の通り体の水分を尿として排出させるものなので脱水をさらに助長させます。
主な脱水の症状
- のどの渇き
- 尿の減少、色が濃くなる
- 口や肌がカサカサになる
- 立ちくらみ
- 足がつる、など筋肉のけいれん
脱水の症状が見られたら、すぐに水分補給を!スポーツドリンクや経口補水液は大量摂取しないよう水と併用がおすすめ。カフェインやアルコールなど利尿作用のあるものは飲まないようにしてください。脱水にならないようこまめに水分補給を心がけてください。
貼付剤による光線過敏症にご注意
ケトプロフェンやジクロフェナクの外用剤(テープやシップ、ゲルなど)には紫外線による光線過敏症が報告されています。はがした後にも薬剤は皮膚に残存しているため、その部分に日光が当たると光線過敏症を起こしてしまう可能性がありますので注意してください。夜貼って朝はがして出ても起こってしまいます!
ロキソプロフェンは紫外線吸収波長に吸収極大がないため光線過敏は起こらないとされており、添付文書にも記載はありません。
貼付剤では紫外線によらない接触性皮膚炎:いわゆるかぶれ、もあります。これは薬剤自身というより多くの場合は汗によるかぶれが多いとされています。一般的にはテープ剤よりも湿布剤の方が基剤に吸湿性がある分、接触性皮膚炎は少ないとされています。シップは汗でヌルっとして気持ち悪い!のも分かりますが…
No responses yet